野ぶどうエキスの効果について~野ぶどうエキスの生活習慣病に対する有効性を確認~著書 獨協医科大学 内科学教授 中元隆明

第1章 野ぶどうエキスについて

野ぶどうはブドウ科の植物でがめいをAmpelopsis brevipedunculata (Maxim) Traut V. といい、別名を蛇葡萄(右図)といいます。
北関東や東北地方ではこの野ぶどうエキスに強い強肝作用があると言い伝えられ、古くから肝臓病に悩む人たちに愛用されてきた民間伝承薬です。
その効果は、重い肝臓病につきものの全身倦怠、食欲不振、はき気、嘔吐などの症状の改善がありました。野ぶどうエキスの肝臓病に有効性を立証したのが私の恩師し『関湊』獨協医科大学理事長(故人)と獨協医科大学組織培養研究センター勝田甫・前教授(故人)、獨協医科大学組織研究センター高岡聡子・前助教授です。

第2章 肝臓と野ぶどうエキスについて

「野ぶどうエキス」の肝臓に対する働き

沈黙の臓器「肝臓」をいかに保護するか!!
日頃の生活習慣が大切です。しかし…

肝細胞に沈着する脂肪のかたまり(脂肪滴)は禁酒すると消失するともいわれていますが、実験の結果では野ぶどうエキスの服用により、より早く脂肪滴が消失することもわかっており予防効果もわかっています。 臨床例で調べた結果では肝障害23例を対象にして1ヶ月間の投与をしたところ(右図)に示した様に「GPT・γ-GTP・LDH」は明らかに改善しました。

ラットの肝細胞に肝細胞滴(脂肪肝の始まり)を人工的に作り、「野ぶどうエキス」を与えたラットの肝細胞図

野ぶどう抽出液による抗脂肪肝効果

ラット腹腔内にガラクトサミンを投与して実験的脂肪肝を作り、比較し図示しました。
[左図の白く円形に抜けた所が脂肪です。]

肝臓の話

着実に増えている21世紀の病気「肝臓病」(アルコール性肝炎)が怖い!

成人病といいますと、高血圧症脳血管障害・ガン・糖尿病などが思いつかれるでしょう。その中で最近特に増えているのが肝臓病で21世紀の病気ともいわれています。その原因はウイルス、肥満、ストレス、アルコールの多飲が原因と考えられ、特にアルコール性肝障害は着実に増えています。(下図)

【アルコールの90%を肝臓は分解・解毒します。その為に飲めば飲むほど肝臓は余分に働かなければなりません】
『一般的に肝臓の1日の分解・解毒能力は、日本酒でいうと3合位といわれています。それをこえて5合以上を15年間飲み続けると肝硬変になるといわれています。』
肝臓に脂肪が1/3以上蓄積した状態を脂肪肝といいます。酒の飲み過ぎでできるのがアルコール性脂肪肝です。同じ脂肪肝でも一般的に肥満などでおこる脂肪肝からは肝硬変へ移行しにくいのですがアルコール性脂肪肝は肝細胞が壊死を起こす為に肝硬変になりやすくまた、アルコール性肝炎も同じ様なことが起こります。

第3章 脂肪と動脈硬化の話

野ぶどうエキスの血管に対する働き

成人病を予防するには。…生活改善
運動・バランスの良い食事(血管を元気にする!)

動脈硬化の三大危険因子に高血圧・高脂血症・喫煙があげられます。その他に糖尿病も要因として重要です。その一つ高脂血症とは血液中の脂肪分、つまりコレステロールや中性脂肪が高い状態をさします。中性脂肪がたまりすぎると動脈硬化を引き起こし、狭心症、心筋梗塞の原因となります。また、糖尿病も動脈硬化を引き起こします。
高脂血症や糖尿病になる原因は、たくさんありますが、アルコールや糖質などカロリーのとりすぎが大きな原因です(右図)。
これらに対しても野ぶどうエキスの有効性が報告されていますし、動脈壁の繊維性変化の予防や治療としても期待が持たれています。

血液中に中性脂肪(トリグリセライド)が増えると、善玉コレステロール(HDL)が減ってきます。それだけ動脈硬化を促進するというわけです。この中性脂肪を増やさないためには、太りすぎ、アルコールの飲みすぎ、糖分のとりすぎに気をつけてください。

コレステロールには、動脈の血管壁にたまって動脈硬化を促進する悪玉コレステロール(HDL)と、その悪玉を血管壁から肝臓に運び去る善玉コレステロール(HDL)があります。善玉を増やし、悪玉を減らすように、食生活を中心とした生活改善をすることが大切です。
「野ぶどうエキス」は動脈壁の線維化を防ぐことで動脈硬化の予防に役立つと考えます。

肝臓と動脈硬化の関係

“そっと”しのびよる「脂肪肝、動脈硬化」があなたの健康をむしばんでいます!
生活改善をおこなって成人病の予防

最近、体脂肪の話が良く出ますが、太っているから肥満とは限りません。特に問題なのは体の中の臓器に脂肪がついてしまった内臓脂肪肥満型です。余分なエネルギーはまず肝臓に脂肪として蓄えられます。肝臓の脂肪蓄積の限度を超えますと内臓に脂肪沈着が始まり動脈の壁にコレステロールとともに中性脂肪が沈着し動脈硬化の原因にもなります。成人病の始まりです。

第4章 他の臓器に対する働き

「野ぶどうエキス」の肝臓に対する働き

「野ぶどうエキス」に見る、
生薬的効果 肺の細胞に活力を!

野ぶどうの「抗線維性効果」は、すでに肝臓の病気で証明されていますが肺の病気でみて見ますと、代表的な慢性疾患で、肺の組織や肺細胞が壊れる【肺線維症・肺気腫】に「野ぶどうエキス」が非常に効果があるのがわかってきました。『肺細胞の老化現象を防ぐ効果』があるようです。
事実野ぶどうエキスを試した結果、それまであった息切れがなくなったり、食欲も増えてきた患者さんがいました。右図に示したのが、細胞に対してコラーゲン線維形成阻害効果を示した状況です。

細胞の硬化(線維変化)……肺

身体(細胞)を生き生きとするには…老化現象の防止と細胞の活性化

最近、肺疾患の中で間質性肺炎が増えています。この病気は肺胞と肺胞の間の隔壁に炎症が起きる病気です。また、線維性病変が生じると線維化が起こり、肺が固く伸びにくくなり呼吸が苦しくなり、とてもつらい病気です。別名「肺線維症」といわれています。原因として細菌、ウイルス、じん肺などがありますが、多くはわかっていません。
「肺細胞の線維化」に対し野ぶどうエキスは、肺におけるコラーゲン線維を増えるのをおさえたり、「抗菌効果、及び抗炎症効果」が相乗し肺の線維症に対して効果があると考えられています。
今後、治療の一つとして、野ぶどうエキスの肺における「抗線維性効果」の期待が持たれています。

野ぶどうエキスに隠れた効果

野ぶどうエキスの様々な効果。相乗した効果が思わぬ効果を発揮する!

利尿効果・抗菌効果・抗炎症効果

野ぶどうエキスには、臓器保護の効果とあわせて利尿効果が明らかになっています。また、抗菌効果、抗炎症効果なども明らかになっています。
いずれも、野ぶどうエキスには様々な成分が含まれて、どの成分が効力を発するかは不明ですがしばしば生薬に見られるような効果を持っています。また採取場所には関係なく均一な効果が見られ非常にマイルドな効果を発します。
特にこれといった副作用は見られていません。

第4章 他の臓器に対する働き

成人病の原因の多くは栄養のかたより、運動不足、お酒の飲み過ぎなどの悪い習慣が原因でおこります。他に遺伝や有害物質などの環境が上げられますが、これらに対処していくのはなかなか困難です。
成人病は最近「生活習慣病」と云われ、その中で特に問題となる病気として細胞の硬化(線維性変化)と身体に脂肪を蓄積する病気の二つがあります。細胞の硬化が原因となる病気としては、血管の病気「動脈硬化症」、肺の病気「間質性肺炎」「肺気腫」、肝の病気「肝硬変」などがあげられます。特に肝硬変は症状がなかなか出てこなく症状が出てきたときには、すでに手遅れの場合が多く、また、治癒するのも不可能と云われています。
そして脂肪の蓄積も大きな問題の一つで細胞の硬化する病気と大きくかかわって動脈硬化、脂肪肝などの病気を引き起こします。原因として肥満、運動不足、アルコールの取りすぎなどがあげられます。
最後になりますが最近、話題となっている健康補助食品『野ぶどうエキス』で、細胞の硬化、脂肪の蓄積に対して興味深い効果がわかりました。特に肝臓に対しては細胞をみずみずしくしたり、脂肪を洗い流すような働きがわかり、他の臓器(血管・肺)などにも同じような効果があると期待しています。私はこの健康補助食品を使い本論でも述べさせていただきましたように非常に良い効果を経験しました。驚異の健康補助食品だと思います。
最後にこの著書の作成に当たり数多くの資料を快くご提供いただきました高岡聡子先生に心より感謝申しあげます。

獨協医科大学 内科学教授
中元隆明(平成11年6月末日)

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